はちより

〜片道書簡〜

抱っこボランティアのこと。

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雨に濡れる草むら。

いかがお過ごしですか?

今日は乳児院での「抱っこボランティア」のことを書くね。

乳児院は、さまざまな事情で親と一緒に暮らせない2~3歳までの乳幼児が暮らす施設ね。
この里親対象のボランティアに夫婦で申し込んだところ(不規則勤務の夫は休日限定)、この乳児院でなのか、この地域でなのかは不明だけど、今まで里父の申し込みがなかったそうで、即OKはいただけませんでした。
しばらくして、世の中、男性の育児参加は増えていくのだから、ということで許可がおりたよ。

はじめは、夫婦2人での参加もNG。
夫が参加する日は、私は欠席とのこと。
理由はわからない。
もしかしたら、乳児部屋に夫婦2人だとお喋りをして、赤ちゃんにきちんと向き合えないと思われたのかな? 想像だけど。
それも徐々に解禁となり、夫婦で里子の紹介が来るまで通ったよ。

発達段階と年齢で部屋がわけられていて、ボランティアは赤ちゃんたちがベビーベッドで寝ている乳児部屋で行いました。
ガラス戸の向こうでは、もう少し大きいハイハイしだした幼児たちが過ごしていたよ。

私たちがすることは、抱っこと哺乳びんによる授乳
ミルクは保育士さんが作ってくださるし、オムツ交換も保育士さんまかせ。
ボランティアにさせないのは、衛生面や便の状態で健康管理をしているからかもしれない。

最初は、首の座らない赤ちゃんを抱っこするのも怖かったし。
哺乳びんをくわえさせるのにあくせくしたり。
ゲップをしないとあせったり。

薄いやわらかなカーテンを引いた乳児部屋は、ほの暗くて、子守歌のオルゴールCDが流れるなか、体温の高い赤ちゃんを抱いていると、こちらまで眠くなることもしばしば。
赤ちゃんはもちろん泣くこともあり、泣きが伝播して5~6人全員が泣きだし、2人でも足りなくてもどかしかったっけ。
子守歌を口ずさんだり、話し掛けもたくさんした。

ガラス戸越しに、ハイハイやつたい歩きをする幼児のお世話をしている保育士さんたちを見ていると、一瞬も目が離せず激務。
寝ていることが多い乳児をゆっくり抱く時間を作るのは大変そうだと感じたよ。
もちろん私たちボランティアが入っている時間帯は、まかせてくださっているのだろうけどね。

保育士さんたちは親切でテキパキとよく動き、手早くオムツを交換しながらも赤ちゃん豆知識を教えてくださったり。
本当にお世話になりました。

のちに、抱っこした赤ちゃんが知っている里親さんに委託となり、再会することもあるんだ。
あの赤ちゃんが幼稚園なんて聞くと、嬉しさとともに年月を感じるよ。

私たちがボランティアをした理由は、
子どもと関わる時間が欲しかったから。
・登録したのに「大人だけの世界」に戻ってしまうと、里親意識が薄れてしまうから。

…だったのだけど、私たちの乳児院での様子は児童相談所にも伝わっていたようで、結果積極的な里親と見てもらえたみたい。

今はまた赤ちゃんは遠い存在で、もし抱っこする機会があったとしても怖々抱きそう。
乳児の委託がなかった私たちにとって、赤ちゃんとの関わりはここがすべて
懐かしく思い浮かぶ光景は、あの乳児院の一室です。

赤ちゃんの写真が1枚もないノコ。
どんな赤ちゃんだったのかな…と時折思いをはせることがあるよ。
月並みな言葉だけど、どの子も幸せになって欲しいな

「あーヤダヤダ」と文句たらたらのノコの宿題を見つつ。
それでは、またね!

はちより